【園長先生リレーエッセイ】船原幼稚園
お知らせ
2022/03/08
今年は、北国から、記録的な大雪で、皆様大変生活に困っているという話が多く聞かれました。
清水でも寒い日が続きましたが、雪が積もることがありませんので、北国の人たちが困っている雪なのですが、あこがれている子どもがとても多いですね。
当然、園での生活、子どもたちの遊びや活動も、北国は、雪遊びが中心だそうで、清水の生活の中では、想像するのが難しいですね。もっとも大人は雪下ろしや、雪の排せつで、毎年相当苦労したり、労力も大変で、経費も相当かかるという話も聞きました。やはりその地域によって我々が知らない暮らしや日々の様子があります。
雪といえば、2月は冬季オリンピックが行われ、テレビやネットでご覧になった方も多かったと思います。最終日のカーリングの決勝では、惜しくも敗れ、銀メダルに終わりました。
前回のオリンピックの凱旋のスピーチで、選手の一人が、「この街には何もない、けれどこの町でなければオリンピックにでることはできませんでした。」
彼女たちの本拠地は、北海道の旧常呂町、現在は北見市と合併していますが、現在旧常呂町エリアの人口は3470人の町です。小さい町には、遊ぶところがない、また冬季には雪に閉ざされる、外出もしにくい環境でも、町の人々が楽しくすごせるように、先人が苦労してカーリングの普及に尽力をし、その中で街の次世代の子どもたちを育んでいったと聞いています。今では、学校の授業でも取り組み、だれでも楽しめる環境にあり、そうした環境から、世界のトップ選手が何人もでてきたわけです。
今現在の社会は、一見すると大都市圏中心の考え方で、社会が動いています。でも大都市がすべてではなく、大都市でなければ何もできないわけではありません。そうではなく自分たちの小さな町でなければできないことも多いはずです。大都市が当然のように教育のスタンダードであるということではありません。
地方都市は人口流出に苦しんでいますが、でも本当は、どのような街であっても紋切型ではない、その街なりの姿があり、そこの子どもたちなりの育ちがあるわけです。日本全国にある地方都市だからこそできることがたくさんあり、小さな北国であっても、清水の街でも、そこの街の姿、人の営みや成長があります。
私たちも清水の街で、ここの子どもたちが大きく羽ばたく姿を思いながら、1人ひとりの子の育ちの一助になればと思います。
船原幼稚園 園長